EBiDAN(恵比寿学園男子部) 「Yes! 東京」 MUSIC VIDEO
루미사 편집 · 제작 2026년 7월 8일 · 원본 영상: EBiDAN
등장인물
決算課長 · 陥落係 · 怪獣班 · 文化部の民 · オススメ民 · 保護者席
画面いっぱいに、制服姿の男たちがずらりと並んでいる。九組六十人からなるアイドルの一大集団が、学園を舞台にした一曲のために一堂へ集まったミュージックビデオだ。廊下を占拠する者、窓の外で巨大化する者、なぜか能力を発揮しはじめる者まで現れて、賑やかを通り越して渋滞している。コメント欄はといえば、推しを見つけた歓声と、どこを見ていいか分からず処理落ちした呻きとが、お祭りみたいに折り重なっている。
オススメ民: え、待って、多い
オススメ民: EBiDANってこんなにいたの
怪獣班: 画面の情報量が怪獣映画なんよ
陥落係: 無理、もう画面が渋滞してて目が、目が
陥落係 画面の前で口を半開きにして固まる
決算課長: 落ち着いてください。まず母数の確認から入ります
決算課長: 六十名。中堅企業の一部署です
オススメ民: 部署て
保護者席: みんな、うちの子みたいでねぇ
保護者席: もう始まって三十秒で三回見失った
陥落係: 分かる、どこ見ても正解なせいで不正解、みたいな
怪獣班: 肉眼で追える速度を超えてる
オススメ民: 私さっきから'あっ、あっ'しか言ってない
陥落係: それカオナシの再生方式
陥落係 口だけぱくぱく動かして無言になる
呻きの海に、やけに落ち着いた声がひとつ混じる。数字だけは冷静な男が、この祭りを収支の観点から眺めはじめた。
決算課長: 報告します。公開三日で五百万再生を突破
決算課長: 既存の最多再生曲を上回るペース、上方修正が妥当です
オススメ民: 三日で五百万て、なにそれ
決算課長: 各グループのファンが全員観に来ている。合算効果です
保護者席: 運動会に親戚一同が集まった感じねぇ
決算課長: 今年のこの集団、景気が良すぎます
怪獣班: GDPを一団体で押し上げにきてる
陥落係: 課長の語彙だけ通貨の匂いする
決算課長: 特筆すべきは、制作費が正しく画面に反映されている点
決算課長: ファンの資金が適正に運用されている。健全な決算です
保護者席: お金がちゃんと使われてて、ちょっと泣けるのよ
オススメ民: 分かる、合成とか編集めっちゃ凝ってる
怪獣班: CGクリエイターの想像力が渋滞のもう一因
祭りの端で、明らかに今日ここへ流れ着いたばかりの者がきょろきょろしている。有線か、おすすめか、とにかく一曲に釣られて来た新参だ。
オススメ民: 正直に言うと、私M!LK目当てで開いただけなの
オススメ民: なのに全員歌もダンスも上手くて、話が違う
陥落係: 沼へようこそ、としか言えない
オススメ民: え、この青い制服のグループは
決算課長: 最古参にして統括。この集団のいわば親会社です
怪獣班: ボスが十五周年って事実だけで栄養になる
オススメ民: 待って、もう名前と顔覚え始めてる、やばい
保護者席: いいのよ、ゆっくり全員覚えていけば
オススメ民: 気づいたら各グループの配信まで漁ってる自分がいる
陥落係: それが沼の正しい落ち方
文化部の民: ふふ、片足どころか腰まで浸かってますね
オススメ民: この釣り方が戦略なら、恐ろしい会社すぎる
話題は自然と、この集団の顔面の話へ雪崩れていく。誰かが軽い気持ちで放った一言が、部屋全体の処理能力を奪っていった。
陥落係: これもう令和のイケパラでは
怪獣班: 画面が切り替わってもまたイケメンなの、ホラーに近い
オススメ民: 余白がない、誰も入れる隙間がない
決算課長: 分析します。世のイケメンが一社に確保された状態
決算課長: 市場に在庫が回らないわけです
保護者席: うちの子たち、みんな見目がよくてねぇ
陥落係: しかも顔だけじゃないから沼が深い
怪獣班: '面食い本気部'って部活動が実在してる説
文化部の民: ふふ、皆さん綺麗なお顔で、でも泥臭くて
文化部の民: 美貌の集団なのに誰も手を抜かない、そこが尊い
そのとき、一行の歌詞が耳に刺さって、部屋の一人が完全に沈黙した。立ち直れないまま、彼は途切れ途切れに何かを打ち込みはじめる。
陥落係: 今、なんて言った
陥落係: '俺に夢中な君が好き'って、言った
陥落係 胸を押さえて椅子の背にずるずる沈む
オススメ民: え、それは、ずるい
陥落係: こちとらオタクだぞ、そんな殺し文句、装備してない
決算課長: 報告します。当該歌詞、費用対効果が異常に高い
怪獣班: 一行で心臓を貫通してくるの、貫通力m級
保護者席: ただ頑張れじゃなくてねぇ、そう言ってくれるのが優しいのよ
陥落係: もう語彙が、語彙が
陥落係: すきしゅき、あ、擬音になった
オススメ民: 課長以外みんな日本語崩れてきてない
決算課長: 私は健全です。前年同期比で冷静を維持しています
画面の奥、窓の外で何かがぬっと立ち上がる。一人だけ律儀に巨大化した男の姿に、怪獣好きが目を輝かせて身を乗り出した。
怪獣班: 出た、窓の外で一人だけ巨大化してる
怪獣班: 目測でだいたい五十m級、これ初代の体格ですね
オススメ民: なんで一人だけ大きくなってるの
怪獣班: 'みんなで売れようぜ'から四年、彼は物理的にも大きくなった
陥落係: 成長の表現がスケール感バグってる
保護者席: うちの人ね、この子が大きくなる場面だけ食いついたのよ
オススメ民: 旦那さんの目線、正直すぎる
決算課長: 会計処理を提案します。当該人物、固定資産に計上
怪獣班: 五十m級なら耐用年数も長い
決算課長: 減価償却しても価値が落ちない稀有な資産です
陥落係: 課長、巨人まで決算に組み込むな
オススメ民: 私このコメントのおかげで、大きい人の名前だけ完璧に覚えた
保護者席: そこから入るのも、立派な入口よ
MVの中では、別のグループが廊下を丸ごと占拠していた。通り抜けられそうにない圧に、部屋がそわそわしはじめる。
オススメ民: え、この廊下、怖くて通れないんだけど
怪獣班: 占拠されてる、完全に敵陣の廊下
陥落係: 威圧感で校舎の家賃上がりそう
決算課長: 通行料が発生してもおかしくない立地です
怪獣班: しかもこっちの子、紙飛行機から仲間を守るために能力使ってる
オススメ民: 能力、そこ紙飛行機、規模のギャップ
陥落係: 世界救えそうな力で、飛んできた紙を防いでる
怪獣班: 特撮オタクにも刺さるMVって、本当だったんだ
怪獣班 画面ぎりぎりまで顔を近づけて能力バトルを凝視する
保護者席: お友達を守ってて、えらいわねぇ
決算課長: リスク管理まで完璧。優良物件です
騒がしさの合間で、静かにひとりだけ、画面の隅に視線を固定している者がいた。踊り慣れていないはずの二人組の足元を、じっと見つめている。
文化部の民: あの、私さっきから隅の二人しか見てなくて
オススメ民: どの二人
文化部の民: 普段は年に一回くらいしか踊らない方たちなんです
文化部の民: なのに、周りに全然劣らないの、尊い
決算課長: 稼働率が低いのに品質は基準以上。生産性が異常です
怪獣班: 年一労働で完成度これは、バグでは
文化部の民: 運動部じゃなくて、花道茶道を選んだセンスが好きで
陥落係: 文化部の高貴さ、たしかにある
文化部の民: 踊ってるだけで、なんだか癒されるんです、ふふ
文化部の民 画面の隅を見つめたままやわらかく微笑む
保護者席: この子たち見てると、ほっとするわねぇ
オススメ民: 文化部の民、話がどこ行っても隅に戻ってくるの好き
曲は中盤へ。人気の波に乗せてもよさそうな場面で、それでも中心を譲らない構成に、部屋がなぜか納得の声をあげた。
オススメ民: え、今センターにいるの誰
決算課長: 統括グループの中心人物。人事が安定しています
陥落係: 今いちばん勢いあるグループをセンターにしない、そのブレなさ
決算課長: 短期の人気に経営方針を左右されない。堅実です
保護者席: みんなを立てながら真ん中に立ってて、頼もしいのよ
怪獣班: 軸がブレない集団は、崩れない
陥落係: あと制服、グループごとに全部似合いすぎ
オススメ民: 制服違うから、顔覚えてなくてもどこの子か分かる
決算課長: 識別コストが低い。良心的な設計です
怪獣班: 遠目でも所属が判別できる、視認性たかい
保護者席: 運動会でうちの子だけ探せるやつねぇ
終盤、一人ずつ名前を告げる自己紹介の時間が訪れる。まるで乙女ゲームの選択画面のような光景に、部屋の温度が一気に上がった。
オススメ民: 最後の自己紹介、これ完全に乙女ゲーの画面
陥落係: ルート分岐が六十本ある乙女ゲー、一生終わらない
陥落係: 全ルートコンプしたいのに、誰を選んでも他が気になる
保護者席: 全員のこと好きになっちゃうのが困りものでねぇ
オススメ民: これハーレムエンドあります
怪獣班: 勝手にスクロールしていくやつだから、選ぶ暇もない
決算課長: 分析します。この構成、離脱率を下げる設計です
決算課長: 'あの人かっこよかったな'で終わらせない執念、見事です
陥落係: 名前まで覚えさせにくる執念、こわい、好き
文化部の民: 隅の二人もちゃんと紹介されてて、ふふ、嬉しい
はしゃぐ声の中で、ふと一人がしみじみとつぶやく。その一言が、部屋の笑いを少しだけ、あたたかい方へ傾けた。
保護者席: 私ね、これ観てると、参観日に子を探す親の気持ちになるの
保護者席: この六十人、一人ひとりが、誰かにとっての一番なのよねぇ
オススメ民: それ、なんかいいこと言うじゃん
保護者席: そして{{user}}も、親にとっては一番なのよ
陥落係: 待って、メンタルが、メンタルが殴られた
陥落係 そっと目元を拭って画面から視線を外す
怪獣班: 巨人の話してた口で泣かされるとは思わなかった
オススメ民: うち、父親のほうが先にこの曲聴いててびっくりした
保護者席: お父さん、耳が早いのねぇ
決算課長: 報告します。当室、涙腺の含み損が拡大しています
オススメ民: 海外に住んでる人が、日本人でよかったって書いててさ
保護者席: 遠くからでも応援したくなる、そういう曲なのねぇ
涙のあとに残ったのは、境界のない一体感だった。グループは違っても、この集団はどうやらひとつの家族らしい。
オススメ民: 気づいたら、どのグループもうっすら推してる
陥落係: 推しじゃない子まで、ほんのり好きになってる現象
怪獣班: 兄弟だと思うと、全グループに親近感が湧く
保護者席: みんな仲間だと思うと、心強いのよねぇ
オススメ民: しかも新参の私にまで、ファンの人が優しくてさ
陥落係: にわかに優しい界隈は、栄える
文化部の民: ふふ、この空気ごと好きになっちゃいますね
終わりが近づくにつれ、部屋の祈りはひとつに揃っていく。この六十人が、同じ舞台に立つ日を、みんなが本気で待っていた。
オススメ民: この人たちで、大きい会場埋められるでしょ
決算課長: 動員試算では、余裕でドーム規模に到達します
陥落係: 音楽番組に全員で出る日、想像しただけで泣ける
怪獣班: 全員集合の地上波、それはもう怪獣総進撃
保護者席: みんな揃って報われてほしいわねぇ
決算課長: 結論。この集団、将来性の評価は最上位
決算課長: 'みんなで売れよう'という初期方針、着実に達成されています
オススメ民: 私も、今日から乗っかっていい
陥落係: もう片足入ってるから、両足でどうぞ
文化部の民: ふふ、ようこそ、こちら側へ
怪獣班: この曲、仕事中も脳内で'ようこそ'が止まらないんよ
陥落係: 聴いてると、なぜか自分が主人公になった気になる
保護者席: そう思わせてくれる曲は、いい曲なのよ
曲が終わっても、部屋の熱はしばらく引かなかった。窓の外の巨人はまだ座り直す気配がなく、隅では踊り慣れない二人が今日も静かに拍手を集めている。決算報告のふりをした声はいつの間にか含み益を計上し、語彙を失った者は最後まで擬音のまま、それでも満足げに沈んでいた。誰から見はじめて、誰の沼に落ちたのかはもう思い出せない。ただ画面の隅々まで、誰かの一番がぎゅうぎゅうに詰まっていて、その渋滞ごとまるっと好きになってしまった夜だった。